宮崎の老舗「ゆるキャラ工場」に潜入してみた 今やイタリアの高級ブランドも注目

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(写真: Ko Sasaki/The New York Times)

太陽の降り注ぐ宮崎市のボウリング場の2階、以前はインターネットカフェだった場所で、日本で最も崇拝される有名人への第一歩が始まることがある。

ここに加納ひろみ氏が運営する「スター製造工場」がある。この工場で生まれて成功すれば、何百万人にも知られることになる。中には、ツイッターのフォロワーが大勢いて、数十億円を稼ぐ者もいる。少なくとも一人のスターは天皇陛下と対面した。

大阪府には92のキャラクターがいる

KIGURUMI.BIZの加納ひろみ氏(左)。

加納氏(55)が大量に作り出しているこのアイドルたちは、着ぐるみだ。動物や食べ物や人形の姿で微笑み、ダンスをし、日本中のありとあらゆるものを宣伝する。人里離れた観光地から、自衛隊での仕事まで。加納氏は工場と約40人の従業員を監督する。従業員のほぼ全員が女性だ。

風変わりなマスコット・キャラクター(「ゆるキャラ」)は、富士山や寿司と同じように、日本を代表するものになりつつある。以前から人気はあったが、近年では熱狂の度合いが増し、どの町にも、どの会社や政府機関にも、一つはキャラクターがあるような状態だ。

あまりにも「ゆるキャラ」が氾濫しているため、昨年財務省は税金の無駄遣いを恐れて、公的機関はマスコット・キャラクターの作成には慎重になるようにと述べた。大阪府には、92のキャラクターがあることがわかった。たとえば、税金関連の二つの部門にはそれぞれ別の犬のキャラクターがある。府知事はキャラクターの整理を求めた。

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