日本株が間もなく「落ち着き」を取り戻す理由 底打ちを示唆するシグナルが出揃いつつある

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株式情報を見るサウジアラビアの投資家。産油国の財政悪化が金融市場に与える影響は大きい(ロイター/アフロ)

前回、2016年の日本株は1万8000円~2万1500円とお伝えしたものの、想定外のスピード調整が続いた。日経平均株価は一時1万7000円台を下回り、中国不安と原油安が共振しつつ金融市場は動揺している。ただ、テクニカル面からみると日本株が底入れを示唆するシグナルも見える。

原油急落が産油国ファンドを直撃

「老いるマネー」、原油の下落が止まらない。NY市場でWTI原油が1バレル28ドル台と、12年ぶりの安値をつけた。依然として石油輸出国機構(OPEC)の協調減産が見込みにくい。世界最大の産油国サウジアラビアは、自国の財政悪化の穴埋めが最優先となっている。OPEC加盟国の利益を確保するスイングプロデューサー(調整弁)の役目を放り投げ、「サウジがサジ投げた」状況に。

さらにイラン産原油の輸出拡大により、当面の原油市場は緩慢な需給が続くとの見方が大勢を占めている。足元では産油国の財政不安にとどまらず米景気の先行き懸念まで広がる中、投資家はリスク回避の姿勢を加速させている。

世界の政府系ファンド(SWF)は800兆円超におよぶ。過去8年で資産規模は2倍に増大し、世界の運用資産総額の1割前後を占める。そのうち、原油高に支えられてきた産油国のSWFは300兆円前後といわれている。ただ、足元は原油急落に伴って運用資産の逆流が起き、日本株を含むリスク資産の「偏重」の解消が、足元の金融市場の「変調」を来している。

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