「畳の上で死ねない人」のための棺桶があった アイデア次第で伝統産業は息を吹き返す

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代表的なのが、壁紙に自動的にのりを付ける自動機です。現在でも、9割近くのシェアを確保するヒット製品です。カーテン製造機、襖製造機なども開発しました。

さらにはコンピュータシステムにも取り組み、JAとタイアップした畳のリフォーム事業や太陽光発電事業にも参入しています。

まずはやってみよう!の精神で新商品が続々

社内では「まずはやってみよう!」の精神が脈々と流れています。製品会議はいつも白熱。

「ベランダにそのまま出られるよう、畳を敷き詰めてはどうか」

「海水浴場に持って行って、その上でゲームをするのも楽しいぞ」

社長も社員もない、ひとつテーブルでさまざまなアイデアを出し合います。

その会議の中から、特殊畳の分野では現在年間10種類前後の新商品が開発されています。トレンドを読み、介護問題、異常気象、高齢化社会などに対応する畳が次々と誕生。時代、環境に対応しながら進化を続けているのです。

次はどんな畳が出て来るのか楽しみです。われわれ日本人にとっては、世界に誇る畳文化を守ろうとしている、実にありがたい畳屋さんでした。

竹原 信夫 日本一明るい経済新聞 編集長

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たけはら のぶお / Nobuo Takehara

有限会社産業情報化新聞社代表取締役(日本一明るい経済新聞編集長)。1971年3月、関西大学社会学部マスコミ学科卒、同年4月にフジサンケイグループの日本工業新聞社に入社。その後、大阪で中小企業担当、浜松支局記者などを経て、大阪で繊維、鉄鋼、化学、財界、金融などを担当。1990年4月大阪経済部次長(デスク)、1997年2月から2000年10月末まで大阪経済部長。2001年1月に独立、産業情報化新聞社代表に。年間約500人の中小企業経営者に取材、月刊紙・日本一明るい経済新聞を発行している。
 

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