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憲法改正は日米関係に一体どれだけ響くのか 「何のためなのか」を私たちで議論していこう

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  • 堀 潤 ジャーナリスト、キャスター
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:三浦さんがおっしゃるとおり「国際社会に対して鈍化した日本人の感覚」というのはよくわかります。たとえば、「パレスチナ・ガザ人道支援2014」の関係で現地取材に行くと、ガザの人は日本のことを本当によく理解して話をしてくれるのに、日本に帰ったら「ガザ、どこだっけ?」「パレスチナ人、何人でしたっけ?」など、この片思い感はなんだろうと。倉持さんはどう思いますか。

日本とアメリカの明らかな温度差

倉持麟太郎(以下、倉持):片思い感でいうと、日本はアメリカに「リーズナブルな存在」としてしかみられていないんじゃないでしょうか。以前アメリカで、ペンタゴン(国防総省)、シンクタンク、アメリカ太平洋軍司令官の方々に聞き取りを行ったんですね。「安全保障関連法が成立したことで何か変化はありましたか?」という私の問いに正確な答えを出した人は一人もいませんでした。「(なんとなく)世界の平和に貢献できるようになったんでしょう」といった具合で日本とは明らかに温度差がありました。

倉持 麟太郎(くらもち りんたろう)/1983年東京都渋谷区生まれ。弁護士。慶應義塾大学大学院法務研究科非常勤講師(憲法~2017年)、日本弁護士連合会憲法問題対策本部幹事、第二東京弁護士会憲法問題検討委員会幹事などを務める傍ら、TOKYO MXの『モーニングCROSS』内で日替わりのコメンテーターとして出演している(撮影:梅谷秀司) 

一方、安倍政権にとってのアメリカはあこがれの「lover」ですよ。岡崎久彦(元外交官)が「アングロサクソン(米兵)についていけば日本は100年は安泰」と言ったあの発想のように。しかし向こうからは世界戦略のうちの小さな一国でしかないのです。

今後も、日本はアメリカと同盟関係を結びつつ、東アジア安全保障に対峙していくわけですが、一方で、「僕ら日本だけでどう生き抜くか」という議論をもっとしておくべきでしょう。その1つが憲法9条の自衛権の問題だと思うんです。いつも違憲か合憲かで止まってしまって、「個別的自衛権」でいくのか、「集団的自衛権」でいくのかという点でも防衛論争にならないわけですよ。

そういう中で、自立的に判断するために国家機関のバランスの不均衡も含めて、対内的なアンバランスの問題と、諸外国とのアンバランスな問題というのをまずはゼロベースで、ある種、理想主義的に考えてみる、そこでぶつかる現実の実現可能性等とのハードルとの調整をどうするのか、こういう理念とリアルの相克と向き合う憲法改正の論議を進めたいですね。

:つまり倉持改憲案でいうと自衛隊の役割をコンクリートすると。

倉持:そうですね。集団的自衛権の行使は一切禁止し、個別的自衛権の行使のみを書き込みます。

三浦:それは「アメリカさん、さよなら」というスタンスですか?

倉持:いいえ。だって基地提供はしていますから。

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【自衛隊の役割がさらに大きくなるのでは?】

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