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金持ちにはわからない「親ガチャ」の悲しさ残酷さ 「日本の未来」を暗示する格差大国アメリカの姿

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いずれにせよ、私の成功の最大の要因は大学教育を受けられたことだ。

多くのアメリカ人は自分の子どもたちを大学にやりたがっている。しかし経済不安を抜け出すための道は、どんどん険しく狭くなっている。

2019年、UCLAの合格率は12%だった。言い換えると、30年前には手が届く範囲にあった上へ昇るはしごが、5倍もつかみづらくなっているということだ。

豊かな社会なら、次の世代は現世代より成功しにくくなるのではなく、成功しやすくなっているべきだ。しかし現実はこうだ。ひと握りの特権階級が「カリブの海賊」に何度も乗って楽しんでいる脇で、一般大衆は炎天下、いつ自分の順番が回ってくるかもわからないままで待ち続けている。

私たちはこのジレンマの深さを見ようとしない。それは、アメリカの能力主義と成功についての神話を信じ込んでいるからだ。

金持ちは「いい奴」だが、特権を手放したりはしない

この富の再生産を止めるのは誰か。富裕層だと思ってはいけない。

マンガでは超金持ちは一般的にろくでもない人物として描かれる。しかし、実はそんなことはない。

私の経験では、大きな成功を収めている人々にはいくつか共通点がある。根性、運、才能、そしてリスク許容度。

たしかに金持ちに生まれついた人もいるが、一般的に金持ちは、どの分野でもよく働く集団である。金持ちはより多くのリターン(経済的にもそれ以外にも)を得られるので、それがやる気につながっている面もあるのだろう。何にせよ、よく働くことはたしかだ。

私が知っている超のつく金持ちは、国を愛し、寛大で、心の底からコミュニティーのことを考えている。成功の頂点へ近づくと応援してくれる人を増やすことが大事になるので、それは筋が通っている。

しかし裕福な人々が、自分から一方的に武器を手放すことはない。

上位0.1%の人々が自分のスキルやリソースを使うのは、自分の会社や子どもがほかよりも優位に立てるようにするためだ。ほかの人と同じである。そのためには、外部性(環境基準、独占的立場の乱用、租税回避、十代のうつ病)については目をつぶることもあるはずだ。

私たちはみな子どものために精一杯のことをしてやりたいと思う。社会の長期的な健全さについて心配しない人はいないが、まず考えるのは自分自身とその先々のことだ。

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