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「外交と安全保障」に安倍内閣が残したレガシー 「安保法制」「戦後70年談話」「FOIP」という成果 

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FOIPの内容に、日米の間で完全な合意があるわけではない。バイデン政権のコミットについても、まだ不明なことも多い。しかし、安倍政権が自由で開かれたインド太平洋構想を打ち出し、広めていったことには、誰も異論のないところであろう。

安倍内閣の外交安保における成果

広く外交安保に関係するもので、安倍首相が重要政策として挙げたもののうち、憲法改正には手が届かなかったし、日露領土問題でも拉致問題でも前進はなかった。

しかし、憲法改正について言えば、安倍首相の打ち出した現行の9条を維持して第3項を付け加えるというやり方は、戦力不保持を定めた第2項を維持するということであり、どれほど日本の安全に寄与しうるかは、やや疑問の残るところである。日本の安全にただちに役に立つという点では、安保法制のほうが、明らかに意味があった。

また、拉致問題が解決しなかったことは遺憾だったが、もし解決しても北朝鮮の核とミサイルの脅威まで除去はできなかっただろう。ロシア問題については、交渉の内実が明らかになっていないので、コメントは控えておきたい。

安倍首相の外交安保における成果は、本稿冒頭で在任期間を比較した佐藤榮作の沖縄返還や、桂太郎の日露戦争などとは、比べられるようなものではない。

しかし、中国の経済的・軍事的膨張と、強圧的な対外政策を前に、日本に根深い原理主義的な平和主義を考えるとき、相当の成果を挙げたと言って過言ではないだろう。

同盟国のアメリカでは、オバマ政権からトランプ政権へと大きな転換があった。その中で安倍首相はワシントンの連邦議会で演説(2015年4月)し、オバマ大統領の広島訪問(2016年5月)を実現させ、さらに真珠湾を訪問(2016年12月)し、かつ、トランプ大統領との間で信頼関係を築いた。これは、重要な成果であったと言ってよいだろう。

ただ、安倍内閣の成果が本当に実のあるものとして定着するには、これからの歴代政府の努力にかかっていると言ってよいであろう。

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