2026年11月3日に実施されたアメリカの中間選挙で野党・民主党が大勝し、トランプ大統領の求心力低下は避けられない情勢となった。
議会基盤が揺らぐ中、29年1月までの残り任期において、政権の軸足は内政での立法推進から「外交の成果づくり」へ一気にシフトするとの見方が強まっている。
とりわけ注視されるのが東アジア外交だ。トランプ氏が目に見える外交レガシーを狙い、米朝首脳会談の再開へ舵を切るのではないかとの観測がにわかに浮上している。
国内政治で追い詰められるほど、外交での打開策に賭けたくなるのが政治のつねだ。過去3回も顔を合わせ、時には「恋に落ちた」といった発言が出るほどの友情をアピールしてきた金正恩総書記との対話を、再浮揚のテコにするシナリオは十分にありうる。
民主党の「議会奪還」が突きつける強力な外交ブレーキ
だが、現実はそう単純ではない。北朝鮮がすんなり交渉に応じないばかりか、トランプ氏の独走には民主党主導の議会が強烈なブレーキをかけることになる。
民主党は伝統的に、核不拡散体制の厳格な維持と日米韓の同盟強化を最優先する立場だ。上下院ともに掌握した同党は、トランプ外交の動きに対して極めて厳しく監視する構えを見せる。
仮にトランプ政権が成果を急ぐあまり、非核化をうやむやにしたまま制裁緩和に踏み切る「バッド・ディール(悪い取引)」に傾けば、議会からの猛反発は避けられない。
また首脳間の「蜜月」を演出しても、議会という制約が実質的な大幅譲歩を阻む構造が今回の選挙で構築された。
東アジアの地政学リスクも一層複雑化している。26年11月中旬に中国・深圳で開催されるAPEC首脳会議前後には、「米朝の直接・間接の接触が試みられるのではないか」との期待がにわかに高まっていた。
中間選挙の裏で、中朝間の動きは一気に活発化した。10月末には金正恩氏が中朝国境の丹東を訪問。11月に入ると、党内随一の「中国通」として知られる金成男・国際部長が訪中した。
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