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フランスで55万人超による相次ぐ抗議デモが暴徒化、略奪・放火から見えるマクロン政権のエリート主義と移民政策の限界

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2026年10月17日、パリのデモや暴動が止まらず、市民生活にも深刻な影響を与えている(写真:2026 Bloomberg Finance LP)
  • 安部 雅延 国際ジャーナリスト(フランス在住)
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ニュース専門TVのBFMの世論調査では、今回の暴力的デモについて、フランス人の10人中6人が「警察はもはや国民を守ることはできないため、自力で安全を確保しなければならないと感じている」と回答している。

さらに、回答者の90%が「司法手続きの迅速化と略奪者に対する制裁強化」に賛成し、87%が「警察官と憲兵隊の増員とSNSの監視強化」に賛成している。また、77%がとくに未成年者に対する地域的な夜間外出禁止令を支持している。そして75%が、特定の治安任務を確保するために軍隊を一時的に動員することに賛成している。

フランス政府は、一部地区で夜間外出禁止令を発動している。また、身柄を拘束したデモ参加者の即時裁判の大量実施を行っており、この迅速な手続きによりこの数日間で149人以上が即時収監された。

裁判官は法務省の指示に従って厳格な姿勢で臨んでおり、多数の懲役刑と逮捕状(公判後即時収監)が言い渡されており、その中には前科のない者も含まれている。さらに政府は懲役刑に加え、略奪者にとって最も痛手となる金銭的制裁を加える方針で、損害賠償の直接的な支払いを義務付ける法案を準備している。さらに特定の給付金や社会保障手当の停止の可能性も検討している。

無論、これらの厳しい措置は激しい議論を巻き起こしているが、91%の国民は暴力行為を非難しているのが現実だ。

移民、若者の教育を甘く見たフランスから見える教訓

27年春の次期大統領選で最有力候補とされる極右政党「国民連合」(RN)のマリーヌ・ルペン氏は、教員不足や施設改善よりも規範教育の導入を教育改革の柱とすることを要求している。移民系か否かにかかわらず、社会的責任や倫理観という普遍性を子どもの時から習得する必要性を説いている。

総人口に占める国際移民の割合はフランスが13.8%であるのに対して、日本では外国人住民の占める割合は約3.5%(約428万人=26年6月)と、過去最多ではあるもののフランスの4分の1程度だ。

だが、日本はフランス以上に外国人住民に対する同化政策は実施していない。結果として社会ルールを無視し、犯罪に走る外国人在住者もいる。このまま放置すれば、フランスのように伝統的建造物の破壊まで行うリスクは否定できない。

今回の暴徒化で中部リモージュの19世紀の市庁舎が放火され、全焼した。フランスでは移民系住民の多くがフランスが誇る文化的、歴史的建造物に価値を感じておらず、破壊や放火の標的になる可能性は決して低くない。そこに伝統破壊の過激な極左勢力も加わっている。

欧米先進国に比べ移民比率の低い日本だが、日本が外国人を一時的な労働力として受け入れ続けている今、家族を含めた長期定住を前提とする移民政策に転換するのかが重要な論点になりそうだ。

日本が仮に家族を呼び寄せて定住する外国人を増やす方向なら、現時点で中身のある同化政策を明確に実施しなければ、フランスの二の舞になる可能性は低くないと言えそうだ。

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