客席では、多くの人がスクリーンに映る写真をじっと見つめていた。家族と手を握りながら見る人、静かにまっすぐ見入る人。それぞれが思いを馳せているようだった。
十数枚の写真や映像が流れた後、「さあラスト1曲いきます! ロマンディスコありがとうございましたー!」とGENさんが呼びかけた。最後は『銀河鉄道999』(EXILE)でフィナーレを迎えた。あっという間の40分間だった。
曲が終わると、間髪入れず「アンコール! アンコール!」の声が上がる。それに応えるように『楽園ベイベー』(RIP SLYME)が流れ、SUさんが生歌を披露してくれた。会場はもちろん大盛り上がり。そのままロマンディスコの幕が下りた。
音楽で利用者と介護職員が一体となる
イベント終了後、90代の利用者が「こんなに楽しいと歳を忘れちゃいそう」と話してくれた。その言葉どおり、ロマンディスコの会場には年齢や立場を忘れさせてくれる光景が広がっていた。
筆者は元看護師で、母親が10年以上前から高齢者施設に入居している。仕事や家族を通じて介護の現場を見てきたが、これほど会場全体が一体となって盛り上がる光景を目にしたのは初めてだった。
とくに印象的だったのは、施設スタッフが心から音楽を楽しむ姿だ。観客と演者、若者と高齢者、介護者と利用者という垣根がなくなったようにも見え、不思議な感覚を得た。
もちろん、これらは利用者と施設スタッフの信頼関係があってこその光景であり、音楽そのものが持つ力も大きいだろう。ただ、それだけでこの場に生まれた熱気や一体感を説明できるだろうか。
その疑問を解消すべく、後編ではロマンディスコを主催するDJ GENこと大滝亮輔さんに取材し、イベントの舞台裏を聞いた。


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