吉川医師がいる病院では全身麻酔で行い、手術時間は片側約1時間。最近では日帰り手術を行っている医療機関もあるが、同院は3~4泊の入院が基本だ。
「手術後2日くらいで炎症のピークが過ぎると、鼻づまりが改善してきて、その後徐々に嗅覚も戻っていきます。『においってこんなに感じるものなんですね』と驚く患者さんも多いですね」(吉川医師)
好酸球性副鼻腔炎のほうは、手術をしても再発を繰り返しやすいため、術後は必ずステロイド点鼻薬や鼻洗浄によって再発を予防する。それでも再発を繰り返す場合は、生物学的製剤による治療を検討する。
鼻炎・花粉症と副鼻腔炎の関係
これから風邪がはやる季節を迎える。風邪から副鼻腔炎に移行しないためにできることはあるのか。また、アレルギー性鼻炎の人が気を付けることはあるのだろうか。
「まずは、風邪をきちんと治すことですね。風邪を治すのは自分が持つ免疫ですから、規則正しい生活を送る、睡眠をしっかりとるなど、免疫力を高める生活を意識することが大切です」(吉川医師)
アレルギー性鼻炎や花粉症の場合は、定期的にかかりつけの耳鼻咽喉科で、アレルギー性のものなのか、そうではないのか診てもらうことも大事だそうだ。
「以前、『例年、花粉症は4月になったら治るのに、長引いて、薬も効かなくなった』と受診された方がいて、画像検査をしたら副鼻腔炎だったというケースがありました。アレルギーによる鼻症状が長引いたり、薬が効かなくなったりした場合は、一度、きちんと調べてもらうことをおすすめします」(吉川医師)
(取材・文/中寺暁子)

教授 吉川衛
1993年東京慈恵会医科大学卒業。東京慈恵会医科大学講師を経て、2014年から現職。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会専門医・専門研修指導医、日本アレルギー学会専門医。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会専門医制度委員長、日本鼻科学会鼻科手術指導医制度委員などを務める。専門は鼻副鼻腔疾患、アレルギー疾患。


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