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キャリア・教育

「コスパもタイパも悪い」 広がる"後輩育成キャンセル" 人材教育のプロに聞く「現場の課題」と「改善策」

8分で読める
上司と部下
部下育成キャンセル、が増えているそうです(画像:mits / PIXTA)
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「部下側もハラスメントに当たらない範囲であれば、積極的に改善点や弱点を指摘してほしいと思っています。育成キャンセルが続くと、自身のキャリアに不利益があるとわかっているためです」

若手のキャリアへの悪影響だけでなく、育成キャンセルは企業にとっても脅威となり得る。「短期的な業績への影響は小さくとも、中長期的には企業の競争力が失われる」と宗澤氏は警鐘を鳴らす。では、どうすれば育成キャンセルを阻止・改善できるのか。

プロが提案する、取り組みやすい「4つの打ち手」

宗澤氏は、「管理職と部下の間のコミュニケーション量を増やすことが最重要だ」と話す。それを踏まえ、実践しやすい「育成キャンセルの4つの打ち手」を紹介する。

1、コミュニケーションスタイルを変更する

「部下のマネジメントは管理職の役割ですが、育成キャンセルを阻止・改善するという観点では、管理職だけに育成を任せないことも一つの打ち手になると考えます。

例えば、ある企業では、上司と部下での1on1(ワンオンワン)を月1で実施していましたが、1on1の実施そのものがKPIになっており、課題解決にいたっていませんでした。そこで、上司と部下での1on1を廃止して、代わりに部下同士でピア1on1を実施することに。毎回メンバーを変えながら部下同士でテーマを決めて話し合うことで、部内の課題を吸い上げやすくなりました。

さらに、離れていた上司の座席を部下と横並びに変更。すると、部下は日常の些細な課題を上司に相談しやすくなり、コミュニケーション量が増加しました。“まとめて話す”から“都度話す”に変えたことで、課題に対策しやすくなったのです」

2、自社のハラスメント方針を明確化する

「上述したとおり、ハラスメントの客観的な基準があるというだけでは、うまく機能しません。重要なのは、自社のハラスメントの境界線を明確にした『指針』を提示することです。『ここまでは指導としてOK、ここからはNG』と会社側が覚悟を持って示すことで、管理職が過剰にハラスメントを恐れず、適切な指導につなげられると考えます」

3、若手の「フィードバック獲得スキル」を伸ばす

「若手だけでなく管理職にも言えることですが、フィードバックで重要なのは『スピード』と『具体性』の2つです。

若手は、上司の手間を減らそうと『完璧に仕上げてから』上司に確認する傾向がありますが、それでは指摘する量が増え、精神的な負担も時間もかかる。上司にとっては、『6〜7割の出来』で見せてもらうほうがありがたいわけです。フィードバックを受けた後も、完璧に整えてからではなく『直したところから見せる』のが良いですね。

逆に、上司側はフィードバックが抽象的になりがち。『どこをどう直すべきか』と『期限』を明確にして伝えることが重要です。曖昧な指示があった場合、若手は『〇〇という意味で合っていますか』と聞き返しましょう。当社では、こうした各場面のロールプレイングを通じて、管理職と若手双方のスキルアップを図っています」

4、「専門の相談窓口」を設置する

「管理職が部下への指導に迷ったときなどに事前に相談できる窓口を用意しておくと良いでしょう。ハラスメント通報窓口を開設する、あるいは産業医や人事部が対応するのが一般的です。ただ、問題を未然に予防できる環境づくりのほうが圧倒的に重要だと私は考えます」

「心理的安全性を高め、些細な問題をその場で話せる環境を作ってほしい」と宗澤氏は強調した。自身も、「出社している日は、いつでも話しかけてもらってOK。逆に在宅の日は、申し訳ないが、難しいこともある」と正直にメンバーに伝えているそうだ。

※調査対象(1):勤務先で「上司」の指示を受けて仕事をしている20代男女 443名
調査対象(2):部下の育成・指導を担当している30代〜50代男女 443名
調査期間: 2026年6月11日〜6月15日
調査方法: インターネット調査(株式会社ジャストシステムへ委託)

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