卒業後は、コンサルティング会社に就職する予定だ。いろんな夢を持つ子どもたちにアドバイスできるよう、まず自分が様々な業界を知りたい。10年ほどコンサルで経験を積んでから、学校を作るつもりだ。
最後に、今まさに「自分には無理かもしれない」と感じている人へのメッセージを求めた。小鹿野さんは静かに、しかし力強く語った。
「自分で自分の可能性を狭めないでほしいです。僕も『東大なんて』と思っていたところから合格できました。人間、本気を出せばなんとかなることが多い。他の人からいろいろ言われても、自分だけは自分のことを信じてあげてください」
そして、こう続けた。
「困難は受験が終わってもずっと続くと思います。理不尽なこともたくさんある。でも、幸せになるためには、全部向き合わなきゃいけない。僕は将棋で大きな挫折をして、受験では成功した。全力で一番を目指したからこそ、挫折したときの惨めさも、達成したときの嬉しさも知っています。今の努力がその場で報われるかどうかは、正直わかりません。でも、本気でやった挑戦は、失敗したとしても絶対に次に生きる。『あれだけ頑張ったんだから、このくらいの困難は大丈夫だ』と思えるようになるんです。だから、いつか訪れる困難に立ち向かえるように、今の受験を全力でやり切ってほしい」
生まれた場所や環境によって“可能性”が異なる社会で…
風呂場で冷水をかけられながら数字を数えていた5歳の子どもは、将棋で「一番になれない」ことを知った。その悔しさを原動力に、誰も受かると思っていなかった東大の門をくぐった。その先で彼が目指すのは、自分と同じように、生まれた場所や環境によって可能性を狭められてしまう子どもたちのための学校である。


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