有料会員登録
ビジネス

廃部寸前のバレーチームを救ったのはシャンプーの会社だった《観客1000人→約1万人に》選手の直談判から始まった大逆転

13分で読める
東京グレートベアーズ
ホームゲームでは、いつも客席がチームカラーのピンク色に染まる(写真:東京グレートベアーズ)
2/7 PAGES
3/7 PAGES
4/7 PAGES
5/7 PAGES

「スペインよりも、オランダよりも、ドイツよりも上。サッカーからしたら考えられない順位です。代表の人気も知っていたし、『ハイキュー!!』は社内でも見ている人が多かった。ママさんバレーも含めて、関わる人が多いスポーツです。市場はあるのに取り切れていない。あるいは、取ろうとしていないのではないかと思いました」

会社の部活動として福利厚生で運営されていれば、集客や売り上げを追う必要は必ずしもない。だからこそ、本気で取りにいけば伸びしろがあるかもしれないと考えた。

さらに同社には「ひとに強さを」という企業理念がある。商品やCMで伝えてきたメッセージも、スポーツを通じれば、夢や感動、地域への貢献、子どもたちの指導といった形で、もっとたくさんの人に届けられるかもしれない。

「全部『かもしれない』なんですけど」。久保田さんは、現状のままではとても届かない「夢の数字」のシミュレーションとともに、社長・安田昌夫さんにプレゼンした。

シャンプーなら廃盤にできる。でもチームはそうはいかない

安田社長が久保田さんに問うたのは、数字よりも覚悟だった。

「新しいブランドや事業を始めるときも、誰が覚悟と責任を持ってやるのかを一番問われます。消費財なら、売れなければ廃盤にすることもできる。でも、スポーツチームは人を抱えることになる。『ダメでした、じゃあ終わり』にはできない。そういうことを始める覚悟はあるのか、と問われました」(久保田さん)

条件も示された。「ネイチャーラボバレーボール部ならやらない」と。別会社をつくり、単体の収支で成り立たせることが前提。「選手もスタッフも全員がプロの“プロチーム”だ」と断言されたという。

実業団は親会社が費用を出し続けるかぎり、結果的に赤字にはならない。その代わり、親会社の業績が悪くなれば真っ先に削られる。FC東京が直面したのも、まさにその構造だった。安田社長が求めたのは、そこから抜け出すことだった。久保田さんは、不安を感じながらも、その条件を飲んだ。

野瀬さんがチーム引き受け決定の知らせを受けたのは、遠征に向かうバスの中だった。

「電話に出たら『一緒にやっていけることになったよ』と。思わず『ありがとうございますー!』と叫んで、周りの選手がびっくりしていました。でも喜ぶと同時に、来シーズンに向けて考えなければならないことが一気に押し寄せてきた。期待と不安が両方ありました」

6/7 PAGES
7/7 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数