「飛鳥・藤原の宮都」は、奈良盆地の南部、明日香村と橿原市(かしはらし)、そして桜井市に点在する19の施設で構成されている。宮殿や官衙などの政治・行政施設の遺構が5カ所、仏教寺院の遺構が7カ所、古墳・墳墓が7カ所の計19カ所だ。
それぞれは、かなり広い範囲に点在しており、歩くだけでは制覇が難しい。だから、地元ではサイクリングをすすめているのである。
実際、この地域の玄関駅となる大和八木、橿原神宮前、桜井、飛鳥などには、シェアサイクルの店舗があって気軽に借りられる。しかし、普段生活圏では自転車に乗っている筆者でも、9月に続いた長雨で自転車利用はためらわれたため、近鉄奈良駅前でレンタカーを借りて現地へ向かった。
必ずしも駐車場はない
奈良盆地を東西と南北に高速道路があるが、南北を貫く京奈和道はまだ建設中のところがあって、北から入る際にベースとなる橿原市の藤原宮跡までの所要時間は1時間ほど。
藤原宮は、710年の平城京遷都までのおよそ16年間、都が置かれた場所で、今は礎石の一部とその上に再現された朱色の柱の一部が並ぶだけのだだっ広い野原である。
跡地に接しているガイダンス施設、藤原京資料室の隣など何カ所かに駐車場があり、資料室の2階からは都の跡地が見渡せる。
平城京跡は大極殿などの建物が復元され都の賑わいを偲ぶことができるが、藤原京はそうした復元建造物は一切なく、その分自由に1300年以上前の日本の中心の姿に想像の翼をのばすことができた。
橿原市内には、ほかに「本薬師寺跡」と「大官大寺跡」という2カ所の世界遺産があるが、大官大寺跡のほうは、石碑が建つ付近には駐車場はまったくなく、細い農道を通って横付けするしかない(もちろん長く停めておくことはできない)。
このほか、隣接する明日香村にも世界遺産の遺構が点在するが、そのうち飛鳥宮跡、飛鳥水落遺跡、後述する牽牛子塚(けんごしづか)古墳も、駐車場はない。


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