奈義町を舞台に選んだ理由を語る前に、作品の背景をもう少し紹介しておきましょう。
脚本は深田監督自らが、劇作家・平田オリザ氏の代表作『東京ノート』に着想を得て執筆しました。その『東京ノート』が小津安二郎監督の名作『東京物語』にインスパイアされた作品であることから、本作は『東京物語』の"孫"という関係になります。
「ナギ」で生きる主人公の彫刻家「寄子」を松たか子さんが演じ、その彫刻のモデルを務める「友梨」を石橋静河さんが、キーパーソンの「好浩」を松山ケンイチさんが演じています。なお石橋さんは10月スタートのNHK連続テレビ小説『ブラッサム』で主演を務めており、同作に出演する松たか子さんとの再共演も楽しみの1つです。
自衛隊と共に歩む"外に開いた"町の独特な雰囲気
岡山県北部、美作地域の中心都市・津山市。そこから車でさらに北東へ40分ほどのところに奈義町はあります。本作の冒頭でも「友梨」が東京からはるばる訪れるシーンが出てきますが、それぐらい遠くから来る感覚が、「ナギ」にはあります。
この作品の舞台が奈義町に選ばれた背景は、2017年まで遡ります。深田監督が、奈義町の「教育・文化のまちづくり監」を務めていた平田氏から同地を薦められ、実際に訪れたことがきっかけでした。
奈義町には、現代美術館という個性的な文化施設があり、同じく美術館を舞台に繰り広げられる「東京ノート」にインスパイアされたオリジナルのストーリーを作ってみたい、と考えたといいます。


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