24年に公開されたこのクルマのプロトタイプ「タイプ00(ゼロゼロ)」はもっとシンプルな面構成で、「基本的にはこのまま発売しますよ」という発言に驚かされたものだ。
果たしてタイプ01は、あそこまでの奇矯さはない。書いてきたように、フロントとリアを別にすれば、クルマ好き全般に訴求しそうな魅力的なシルエットだ。
タイプ00は前ヒンジで上に跳ね上げるタイプのドアだったが、市販バージョンはオーソドックスなタイプになった。
インテリアには「背骨」がとおる
ドアを開けて室内に乗り込むと、ダッシュボードもシートもドアの内張りも比較的シンプルな造型であるが、一方で前席から後席まで、まっすぐ伸びたセンターコンソールが目に飛び込んでくる。こんな意匠は初めて見た。
「スパイン(背骨)」とインテリアデザイナーが呼ぶ、この丸い棒のようなセンターコンソールは、シートに座った状態で見ると、通常より高い位置にあって、まさに背骨。
インテリアデザイナーとしては“爪痕(つめあと)”を残したかったのか。「個性を印象づけたかった」という目的は達成していると思う。「4人の乗員がそれぞれコクーン(まゆ)の中にいる気分を味わえる」という目的もあったと、実車でもって説明された。
ダッシュボードは、エッジを極力なくして、丸さ(=やわらかさ)を強調した造型だ。シンプルさを活かして、素材感を強調しているのも特徴。金属とレザーも効果的に使用されている。
「おおいに参考にしたのが、過去のプロダクトでした。私たちが振り返ったのは、ジャガーが頂点にあった時期の車両です。商品性も文化性も高かったモデルで、理由は、他社と違うように製品を開発していたからなんでしょう」
たとえば、1961年発表の「Eタイプ」、77年の「XJS」といったモデルが例にあがる。
発表されたときは、市場にすんなり受け入れられなかったモデルも過去にはある。時間がたつにつれ、市場性を獲得していった。それがジャガーのありかたなのだとグローバー氏。


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