私がそう感じた理由としては、タイプ00の2ドア・クーペからタイプ01では4ドア・クーペに改められたことでキャビンが前後に長くなり、タイプ00の極端にキャビンが後ろ寄りのプロポーションからより一般的なクルマに近づいたことなどが関係しているように思う。
また、タイプ00では定規で引いたように徹底した直線だったショルダーラインが、タイプ01ではかすかな曲線を描きつつ、ボディの前後で優雅に下降している点も、全体的なスタイリングに有機的な味わいを添える要因となったともいえる。
さらにいえば、かすかではあるけれど、タイプ01にはジャガー・デザインの伝統を思い起こさせる部分も認められる。相対的に長いボンネットの存在感はSS100からEタイプに続く流れを想起させるほか、前述した「前後で下降するショルダーライン」はEタイプや一連の「XJ」シリーズを彷彿とさせる。
私が参加したワークショップの会場にXK120やXJクーペが展示され、プレゼンテーションでSS100をはじめとする歴代モデルが引き合いに出されたことも、タイプ01ではジャガーの伝統を重んじる姿勢が強まったように感じられた一因だ。
タイプ01に問う、ジャガーの本質
その一方でタイプ01は、これまでにない独創的なデザインであるがゆえに「ジャガーらしい」と説明することもできる。歴代モデルを眺めてみても、前述した「長いボンネット」や「前後で下降したショルダーライン」を除けば、ジャガー・デザインの特徴として具体的に受け継がれてきたものは見当たらない。
つまり、変わり続けることそのものが、ジャガーの伝統でもあったのだ。ジャガーを創業したウィリアム・ライオンズは「ジャガーはA copy of nothing(なにもののコピーではない)」との哲学を唱えていたとされるが、「コピーしない」との姿勢は自分たちの伝統に対しても貫かれているようだ。


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