その後もジャガーはスポーツ性とエレガントさを見事に融合させた数々の名作を世に送り出してきたが、2000年代に入るとドイツのプレミアムブランドに押される格好となってセールスは伸び悩み、何らかの対策を講じる必要に迫られていった。
こうした背景もあって、ジャガーはブランドの大胆な改革を決定。2021年には「EV専門のラグジュアリーカーブランド」として再出発する方針を明らかにした。その新しいブランドを象徴するコンセプトカーとして発表されたのが、前述したタイプ00だったのである。そのあまりに前衛的なデザインは世界中で賛否両論を巻き起こしたが、私自身は、従来のブランドイメージを払拭するためにはこれくらいの“ショック療法”が必要だったと捉えている。
2年を経て登場した量産車「タイプ01」
それからおよそ2年が経過して、今度は量産車の「タイプ01」が発表された。つまり、このままの形で市販されるモデルが公開されたのだ。
その全体的なデザイン、そして大胆なアイデアに基づくディテールは、タイプ00をほぼそのままの形で受け継いでいるように思う。なかでも直線主体でボディの長さを強調したプロポーション、天地に薄いキャビン、比較的高いショルダーライン、巨大なホイールなどはタイプ00と共通のモチーフといって間違いなかろう。
ところがタイプ01を目の当たりにすると、タイプ00とは異なり、いかにも自動車らしいフォルムとの印象を受ける。誤解のないように申し上げると、それはコンセプトカーから市販モデルへの変遷でしばしば見受けられる「量産する都合でやむなく受け入れた妥協」ではなく、デザインの完成度を磨き上げる過程で生じた“進化”と説明したくなる種類のものだ。


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