有料会員登録
ライフ #自動車最前線

日産「キックス」は誰が買っているのか? ライバルより高価な《e-POWERコンパクトSUV》購入者の実態

8分で読める
先代「キックス」は2020年6月に発表。何度かの改良を経て2026年まで販売された
先代「キックス」は2020年6月に発表。何度かの改良を経て2026年まで販売された(写真:日産自動車)
  • 三浦 太郎 インテージ 自動車アナリスト
2/5 PAGES
3/5 PAGES
4/5 PAGES

つまり、キックスを購入した人々は、ディーラーに足を運ぶ前の段階で「日産のe-POWERを搭載したクルマを買う」という意思を固めている人が多いことが読み取れる(5位にはエクストレイルe-POWER、7位にはセレナe-POWERがランクインしている)。そこに、「e-POWERという技術」への興味・期待と信頼が見えてくる。

そういった考えを抱いたうえで、日産ディーラーに行ってから、実用コンパクトハッチバックの「ノート」、高級感を高めたプレミアムハッチの「オーラ」、そしてSUVの「キックス」という三者の間で、日産内での競合関係が発生している。

ノートとその上級版であるオーラ(写真:日産自動車)

特に、オーラとキックスは、実質支払額平均で約300万円のレンジにともに位置し、価格の面でも競合している。

エクストレイル、セレナからのダウンサイジング

キックスの買われ方を別の観点からも確認してみよう。キックス購入者はどのモデルから乗り換えているのか。「手放したクルマ(前有車)」のデータを紹介する。

キックスを購入する前にユーザーが手放したクルマのトップ5は以下であった。

<キックスの前有車>
1位:エクストレイル(15%)
2位:ノート(14%)
3位:セレナ(11%)
4位:ジューク(8%)
5位:キューブ(5%)

ここから、エクストレイル、セレナといったキックスより大きいモデルからの、ライフステージの変化に伴うダウンサイジングの構図が浮かび上がった。以上より、次のような購入者像を描くことができる。

・かつて子育て期やレジャーシーンで、家族のために大きいミドルサイズSUVのエクストレイルや、ミニバンのセレナを所有していた当時のミドル世代

・その後、子どもが自立し、年齢を重ねるにつれて、「大きな車を維持する必要がなくなった」「運転が楽な、取り回しやすいサイズの車に買い替えたい」というダウンサイジングの欲求が強まる

・長年SUVやミニバンの「高いアイポイント(運転視界の良さ)」に慣れ親しんだドライバーは、一般的なハッチバックに乗り換えると視点が低くなり、運転に不安や違和感を覚えやすい

・一方で、これまで乗ってきた車種のクラス感を考えると、軽自動車やスタンダードなコンパクトカーへ下げることには少し抵抗がある

そこで、キックスがちょうど良い選択肢となるわけだ。

コンパクトなボディサイズでありながら、SUVとしての見晴らしの良い、運転しやすいアイポイントの高さ、そしてe-POWERの力強く滑らかな走り。これらのパッケージが、競合より高い300万円を支払う理由かもしれない。

5/5 PAGES

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ライフ

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数