さらに難しいのは、アレルギーの原因が患者さんの日常生活の中に隠れていることです。何を食べたのか、どこへ行ったのか、どのようなものに触れたのか――。患者さん自身も気づいていないことが少なくありません。
そのため、アレルギー専門医は問診や検査の結果をもとに、わずかな手がかりを集めながら原因を探していきます。アレルゲンの特定は、しばしば推理小説の謎解きにたとえられます。さまざまな可能性を1つずつ検証しながら、本当の原因を見つけ出していくのです。
「この不調の原因は、もしかしたらアレルギーかもしれない」
患者さん自身も、こうした視点を持つことが大切です。
情報との付き合い方も治療の一部
近年は、インターネットやSNSを通じて、アレルギーに関する情報を簡単に手に入れられるようになりました。その一方で、科学的根拠が十分でない情報や検査も数多く存在します。
その代表例が、郵送によるIgG(アイジージー)抗体検査です。指先から採取した血液を送るだけで、多数の食品に対する「アレルギー」を調べられるとうたっています。
しかし、IgG抗体は多くの場合、その食品を食べた経験や免疫寛容を反映するものであり、食物アレルギーを診断する検査としては推奨されていません。ヨーロッパアレルギー・臨床免疫学会(EAACI)やアメリカアレルギー・喘息・免疫学会(AAAAI)も、食物アレルギーの診断にIgG検査を用いるべきではないとしています。
このような検査では、日常的に食べている食品が数多く「陽性」と判定されることがあります。その結果、「食べられるものがほとんどない」と思い込み、必要のない除去食によって栄養バランスを崩したり、生活の質が低下したりすることもあります。


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