2016年、ミュージシャン・川谷絵音との不倫疑惑が報じられてから約10年。当時31歳だったベッキーは現在42歳となり、結婚して2児の母にもなった。それでも不倫のイメージは消えず、許されていなかった。
明暗を分けるのは「何を売っていたのか」
興味深いのは、不倫相手とされた川谷絵音との違いだ。
川谷も当時は激しい批判を浴びた。しかし現在では「ゲスの極み乙女」をはじめ複数のバンドで活動し、楽曲提供やプロデュースなど音楽家として幅広く仕事をしている。テレビ番組への出演も珍しくない。もちろん川谷への批判が完全になくなったわけではない。それでも、彼がテレビに出るたびに10年前の不倫が蒸し返されるような状況ではない。
同じ不倫の当事者だったのに、なぜここまで差がついたのだろうか?
まず思い浮かぶのは男女差だ。ただ、アンジャッシュの渡部建も、いまだ全国ネットの地上波への本格復帰には至っていない。男性だから不倫してもすぐに許される、というわけではなさそうだ。
では、不倫した芸能人の明暗を分けるものは何なのか。その人がそれまで「何を売っていたのか」が大きいのではないかと思う。
騒動以前のベッキーは、芸能界を代表する好感度タレントだった。
明るく、元気で、真面目。誰に対しても感じがよく、スキャンダルとはもっとも遠い場所にいるような存在だった。有吉弘行から「元気の押し売り」とあだ名をつけられたこともあったが、それほどまでに、明るくていい人というイメージが世間に定着していた。だからこそ、不倫のダメージが大きかった。
報道直後の会見では川谷との関係について、実家に行ったことや2人で食事をしたことは認めたものの、あくまで友人関係と説明した。ところがその後「週刊文春」に会見前に「友達で押し通す予定」などとLINEでやり取りしていたことが報じられた。不倫だけでなく、それまで作られてきた誠実なイメージまで壊れてしまった。
一方、川谷絵音が売っていたものは、彼が作る音楽だった。
もちろんミュージシャンにもイメージは重要だが、聴き手にとっては何より作品が大事だ。ミュージシャンの顧客は基本的に、自ら曲を聴き、ライブに足を運ぶ能動的な人たちだ。川谷を嫌いになった人は、わざわざお金を払って、彼の音楽を聴くことはしないだろう。また作品と人格を切り離して考える人も少なくない。
実際、「Mr.Children」桜井和寿は不倫報道の後に離婚し、現在の妻と再婚しているし、石井竜也、布袋寅泰も過去に不倫報道はあった。女性でも一青窈、今井美樹には不倫報道があったが、ベッキーほどのバッシングには遭っていない印象だ。


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