西岡:ごちゃごちゃ考えないで、やってしまったほうがいいというのはありますね。僕が監修した漫画『ドラゴン桜2』にも、なんで勉強しなきゃならないのか、なんで東大に行くのかなんてことを考えないで、とにかく行動しろというシーンがあります。東大に行く意味を考えていたら勉強できないですよ。
堀田:動いている人間の勝ちですよね。まずインプットがないのに勉強できる人間は絶対にいません。効率の差はあるにしろ、実際にやっている人間が勝つというのは、人生においても同じだと思います。
AI時代、人は「はじめる前に諦める」ようになった
西岡:最近、『ドラゴン桜』のように勉強のできない子が「がんばって勉強していい大学に逆転合格しよう!」と挑戦するケースが少なくなってきたんです。というのも、我々はネットやAIの情報によって「行動する前に結果を予測すること」に慣れてしまった気がするんですね。
例えば、音楽の世界では、昔のようなスーパースターが出なくなった理由はYouTubeにあるという説があります。YouTubeを見れば、自分よりも歌や演奏のうまい人がたくさんいて、自分には無理だと思って諦めてしまう。勉強も同じで、模試で判定が出ると「自分はC判定だからこの大学には行けないな」「自分よりも頭のいいやつがいっぱいいるから、こんなのは無理だ」と思って初めから挑戦しない。
人間は、考えずに間違った行動をとった結果、なぜかうまくいったということもあるはずですが、AI時代にはそういうことが少なくなっているんじゃないかと思うんです。
堀田:そうですね。特に、令和になってますますその傾向が進んでいると思います。もはや頑張らないことが正義になっている。頑張るやつはダサいし、情報が見えすぎるせいで、始める前に諦めてしまう仕組みになっているんですね。
つまり、これをやればうまくいく、これではうまくいかないということが最初からある程度見えてしまっていて、始める前にやめてしまう人が多いわけです。燃え尽きるどころか、燃えられないんですよね。
西岡:「合理的に考えると、ニートのほうがいい」という結論に至るというのと似た話ですね。
堀田:今の時代、なんだかんだ食べていけるでしょう? 親も甘いし。
西岡:時代として、あまり挑戦しない傾向があるし、合理主義的すぎて、みんなが不正解を選べない時代だなと思いますね。AI時代だからこそ、そうした「一見すると不正解に見えるアプローチ」にこそ価値があるんじゃないかと感じます。
構成:泉美木蘭
(後編へつづく)


※ログイン後、コメント入力が可能です。