もちろん、売れること自体が問題なのではない。むしろ「ブラックサンダー」は有楽製菓にとって最大の武器である。
だが、あまりにブランドイメージが確立されてしまったことで、「ブラックサンダー」の名のもとではできない商品も出てくるようになった。
「『ブラックサンダー』には、お客様が思っているブランドのイメージがあります。そこから大きく外れたものだと、『ブラックサンダーじゃないよね』という話になります」(杉田氏)
1ブランドに依存するリスク
問題は、商品開発の自由度だけではなかった。経営という視点から見れば、一つの巨大ブランドに依存することそのものがリスクになる。
「1ブランドだと、やっぱりリスクもあります。一つのブランドに何かあった時に、それしかないと防御力が弱く、事業としての安定性が高まらない。だから新しいブランドをちゃんと作らなきゃね、という話はずっとありました」(杉田氏)
何かあった時──たとえば、「ブラックサンダー」に使用する原料が、対応しきれないほど急激に高騰した時に会社はどうなるか。
今の御時世、何が起こるかわからない。一本の巨大ブランドが会社を牽引してくれる強さは、裏を返せば、その一本に何かが起きた際の影響も大きい。


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