ところが事態が思わぬ形で急転する。販売をやめたところ、九州の営業担当のもとに、小売店や問屋から「どうして『ブラックサンダー』を売らないんだ!?」と多くの問い合わせがあったのだ。
とはいえ、全国的に見れば、売れていない。
会社の上層部が、再販についてそう簡単に首を縦に振らないことはわかっている。それでも九州の営業担当は当時の常務に熱心に掛け合った。「残っている分だけでもなんとか復活できないか」と──。
これにさすがの常務も根負け。「じゃあ、再販しよう」。そして翌96年、晴れて復活が決まったのだという。
「ミルクマニア」のスタートダッシュと比べると、なんとも浪花節な立ち上がりだった。
だが、そんな「ブラックサンダー」も今や、巨大ブランドに成長。有楽製菓といえば「ブラックサンダー」といえるほどの主力商品として、今も人々に愛されている。
「『ブラックサンダー』が強すぎる」問題
ところが皮肉なことに、苦労して育てたブラックサンダーが巨大になればなるほど、有楽製菓には新たな悩みが生まれていった。それは、少々逆説的だ。
「『ブラックサンダー』が強すぎる」──。
長い月日、多くの人々、子どもたちが手に取り続けていった結果、あまりにも「ブラックサンダー」が成長しすぎたのだ。


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