隔離用ガラスの窓越しに家族の顔を見つめた遺族の多くは、嘆き悲しみながらも、スタッフに「ありがとう」と感謝の言葉を述べたという。「正直、驚きました。私たちの存在、意義を認めてくださった。信頼関係ができた1つの証しかなと思って、うれしかった」(園田)。
約6週間にわたるコンゴでの任務は厳しい毎日だったが、「スタッフたちとときには弱音を吐き合い、支え合うことで乗り越えることができた」と振り返る。
「救うのは、薬でなく人道の精神」
園田が国境なき医師団に参加したのは、2014年から。今回を含め、海外派遣はイラクやナイジェリア、南スーダン、ハイチなど10回にのぼる。現地のプロジェクトを指揮する「プロジェクト・コーディネーター」も経験したベテランだ。
紛争や貧困など厳しい状況に直面する人々の中に入り、健康状態の改善、性暴力被害者のケア、新型コロナ対応などに取り組んできた。身長150センチと小柄だが、その奮闘ぶりはエネルギーに満ちている。
国際人道援助に最前線で関わるようになった原点には、「特派員だった父親の影響もある」という。幼少期に父の仕事でアジアの発展途上国に滞在し、「日本は恵まれている。自分はいいところに生まれて申し訳ない」と感じた。現場に立ち、人と関わる面白さも味わった。
アメリカの大学院で国際開発や人道法を学び、国連機関や日本のNGOなどでも勤務したが、MSFでの活動が一番長い。「飽きっぽい私がこの仕事を続けられているのは、ものすごく尊敬できる人に、フィールドで出会えるから」と園田は言う。


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