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巨大廃墟と共にダム湖に沈んだ《60数戸の集落》…「所長は月収130円で"超高所得"」発電所景気に沸いた幻の集落の実態

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曽木発電所
レンガ造りの曽木発電所と共に、ダム湖に沈んだ“幻の集落”がある。発電所景気に沸いた集落の実態を追う(写真:筆者撮影)
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発電所の横には13戸の社宅や事務所が建てられ、集落には豆腐屋、雑貨屋、油屋、タバコ屋などが軒を連ね、60数戸、最盛期には83戸あったとも言われている。時には芝居の興行もやってきたそうだ。

発電所景気で比較的裕福で、下水の掃除などの日雇いの雑役でもけっこう賃金がよかったという。

下ノ木場集落の様子。家々の通りの中央に水路が巡り、ここで野菜を洗ったり話をしていたりしたという。昔はよく見られた風景だ(写真:伊佐市)

「わらじか素足が当たり前だった当時でも、集落の子どもはズックや長靴を履いていた」

「下ノ木場の人間は、飲み屋で掛けがきく」

「オートバイがまだ珍しかった時代、伊佐郡では警察署長と発電所長のところにオートバイがあった」

「校長の月給が60円くらいのとき、所長は130円だった」

など、景気の良さを思わせる証言が残っている。

社宅中に漂った「ウナギのかば焼き」の匂い

手前の丸い穴は、発電機が4基置かれていた跡だ(写真:筆者撮影)
発電所内部の様子(写真:伊佐市)

昔発電所で働いていた人の証言によると、発電所は3交代で5日ごとに入れ替わるシフトで働いていたようだ。昼勤務が8~16時、前夜勤が16~24時、後夜勤が24~8時。中は熱気がこもり、冬でも暑かったのだという。

働いていた人たちの大きな楽しみは、発電所の水槽に引っかかる“あるもの”だ。

ヘッドタンクの様子。川から引いた水からゴミや砂を取り除く。ここに魚もたくさん引っかかったという(写真:伊佐市)
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