具体的には以下の内容だ。「あなたの過去の被害は不幸なことだけれども」と前置きし、
・男性俳優の友人にも相談したところ、友人も「橋本さんの方がおかしい」という意見だった
・演技の相手役に対し“身体的接触に関する一定の制約”を設けるのであれば、俳優を続けるべきではないし、夫婦役の出演の依頼を受けるべきではないと考えている
と伝えたという。上記の発言は口調が強く、突然30歳以上年上のベテラン俳優が楽屋に訪問したこともあり、橋本さんは涙が止まらなくなってしまったそうだ。
こうした事実に対し、フジテレビコンプライアンス部門は外部弁護士に事実関係の確認と撮影の環境調整を依頼。弁護士はヒアリングを実施したうえで、佐藤さんの言動を「ハラスメント」と認定したというのが、本件の顛末となっている。
芸能人が抱える、“重すぎる”ハラスメントリスク
『夫婦別姓刑事』を巡る一連の流れを見る限り、ハラスメントが露見する・判断されるリスクは芸能人と一般人では全然違うのだと実感する。一般人は転職などで環境を変えられるが、芸能人は一度の失敗で職業人生が絶たれる可能性があるからだ。しかも厄介なのは、それが「疑惑」だったとしても、ということだ。
佐藤さんのケースでは、本件を受け「『演技以外での橋本さんへの接触を必要最小限とすること』などの制約のなかで演技を続けることは承服できない」として、本人から「主演を降板したい」と何度も申し入れがあったそうだ。だが、やはり演技に対して真摯に向き合ってきたのだろう。中途半端に投げ出すことはなく、降板を検討するたびに思い直してきたという。
おそらく、決して短くない撮影期間に佐藤さん、橋本さん共に抱える想いはあったはずだ。だが、撮影中止の危機を乗り越え、どうにか撮影を走り抜けた。さらには、フジテレビ側が仲介する協議のなかで、佐藤さんが橋本さんへ謝罪したいという意向も示されていた。にもかかわらず、文春の報道により公になってしまったため、さまざまな立場の人から意見が噴出する事態となった。

