10年以上前に買収した「ブローバ」が覚醒
――2008年に買収したアメリカの「ブローバ」が好調です。デザインも個性的で非常に大胆ですが、シチズンという自社ブランドの資産があるなかで、なぜ18年前の当時、買収へと動いたのでしょうか。
昔のシチズンは現在よりも価格帯が低く、すべてのお客様を「シチズン」という1つのブランドでカバーするのは難しかった。シチズンブランドにはないデザインや価格帯、ターゲットに合う別のブランドが必要だった。そこで08年に初めて買収したのがブローバだ。
ブローバは昨年にブランド誕生150周年を迎えた老舗。アメリカ人にとって思い入れのある、神聖なブランドとしての価値を再構築できたことが大きい。全米のラテン系(ヒスパニック)や、中南米の人々の間での認知度が高い。アメリカ中南部やカリブ海クルーズの船上では、全米のラテン系(ヒスパニック)や、中南米の人々の間での認知度が高い。大きくて、ゴツくて、ギラギラした金色の時計が飛ぶように売れている。タトゥーを入れた腕にも負けないインパクトが求められる。
また、ブローバはラテングラミー賞のスポンサーを務めている。ラテン歌手のマーク・アンソニーをアンバサダーに起用し、ヒスパニック層へのアプローチを強化している。日本のシチズンブランドでは作れないテイストを、ブローバが担う。現在では2000〜3000ドルクラスの高価格帯モデルも増えている。
――25年度は関税の影響がありながら、アメリカ市場の販売が牽引しました。
今やアメリカがシチズンにとって最大市場で、まさに屋台骨になっている。為替影響を除いた現地通貨ベースでも、売り上げ規模はコロナ前の19年度比で1.6倍。いちばん落ち込んだ20年度と比べれば2.4倍だ。市場そのものが2倍になったわけではないので、これは競合のシェアを着実に取れているということだ。
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