さらに、地方官吏には直接的な働きかけがあったとして、ベルツは次のように明かす。
「地方官吏は名士たちを呼び集め、この日はお寺のお祝いのかたちで祝わなければならない。それがお上の御所望だと彼らに言い聞かせました。これに背く者は、これから先祭りを祝ってはならないというのです」
朝ドラから当時の空気感を感じる
実際に、どれだけ政府のお達しがあったかは定かではないが、このお祝いの日を盛り上げるべく、かなりのプレッシャーがかけられたのは確かなようだ。
実際の人物をモチーフにした朝ドラでは、フィクションを交えつつも、こうした時代の実情を生き生きと描いている。
看護の道を切り開くりんたちの奮闘とともに、当時の「空気」を感じながら視聴するのも、「風、薫る」をより楽しむ方法の1つだろう。
【参考文献】
瀧井一博著『文明史のなかの明治憲法』 (講談社選書メチエ)
松本健一著『日本の近代1 開国・維新 1853~1871』(中公文庫)
坂本多加雄著『日本の近代2 明治国家の建設 1871~1890』(中公文庫)
御厨貴著『日本の近代3 明治国家の完成 1890~1905』(中公文庫)
遠山茂樹著『明治維新』 (岩波現代文庫)

