河北:次にコモディティ(商品)について伺わせてください。世界的にインフレ懸念が根強いにもかかわらず、足元では金や銀の価格が直近で下落する局面がありました。これは中央銀行への信頼の表れでしょうか。
ジム:いや、中央銀行がインフレをコントロールできているからではない。金や銀の価格がこれまで大幅に上がりすぎていた、ただそれだけだ。
これも先ほどの日本株と同じ市場原理の話だ。長年の低迷から脱した相場は、勢い余って「上がりすぎてしまう」という現象が起きる。
コモディティ価格の直近の下落は、中央銀行が優れているからではなく、行きすぎた上昇の後に訪れた、市場の自律的な調整(自然な息切れ)にすぎないんだ。
河北:経済の基本、そして正しい投資のステップを理解している投資家であれば、この一時的な下落に惑わされることはないわけですね。では、ジム自身のコモディティに対する強気なスタンスは変わらないのですね。
手元の金や銀を売るつもりはない
ジム:まったく変わらない。現時点の高い価格ですぐに買い増しをすることはないが、手元の金や銀を売るつもりもいっさいない。もし今後、調整局面が訪れて価格が下がれば、喜んで買い増すよ。金や銀といったコモディテイは歴史的に見ても古代からずっと、本質的な価値を認められ続けてきたものだ。紙幣のように価値がゼロになることはない。マーケットが荒れる時、手元に持っておくべき最高の資産の一つだ。
だからこそ、私は「誰もがポートフォリオの一部、あるいはクローゼットの片隅に、いくらかの金や銀を今すぐ持っておくべきだ」と言い続けている。将来、自分の子供たちに確実に遺したい資産だよ。


