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日本企業はアメリカ流「劇的変化」だけが正解だと考える必要はない…破壊的イノベーション以外の好例はたくさんある

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(写真:tiero/PIXTA)
  • 井上 達彦 早稲田大学商学学術院教授

AI(人工知能)による劇的変化が叫ばれる中、「トランスフォーメーション」という言葉を聞かない日はない。特に米シリコンバレー流の「ラジカルな組織変革」こそ唯一の正解であり、プラットフォーム型やサブスクリプション型へと一気に移行できない企業は淘汰される、といった焦燥感に日本企業は取りつかれている。

ここで再考すべきは、変革の「歩法」である。シリコンバレー流の破壊的イノベーションだけが答えではない。むしろ、既存の強みを生かしながら「気がつけば大きく変わっていた」というインクリメンタル(漸進的)な変革こそが、日本企業の土壌には向いているのではないか。その好例が、今や盤石の収益基盤を築いたソニーグループや総合商社の歩みである。

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現在のソニーの躍進を支えているのは、過去の失敗に学びながらも、やるべきことを粛々と実行する「継続モデル」への執念である。

かつてソニーは、ビデオ戦争で現パナソニックに敗北を喫し、「ハードウェアの性能だけでは勝てない」として、ソフトやコンテンツ戦略に舵を切った。その後、映画会社を買収してIP(知的財産)の要諦を学び、音楽コンテンツでも世界的なアーティストの著作権の管理や受託を徹底した。単なる提供にとどまらず、使用承諾と引き換えに料金を徴収するストック型のモデルを構築したのだ。

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