夏の京都の風物詩といえば、「床」もある。この床は、場所によって呼び方が変わり、京の奥座敷・貴船では川床(かわどこ)、鴨川は川床(かわゆか)、納涼床、またはただの「床」といわれている。そもそもは、川の上にせり出す床の上で涼みながら、お料理やお茶を楽しむために始まったのかもしれない。けれど、京都の夏の暑さはこの数年ますますひどくなっており、私のまわりの京都人で積極的に「床に行く」と言う人はあまり聞かない。この数年、京都人は夏の昼間は家に籠って外出せず、活動するなら早朝か、もしくは日が暮れてから。昼間に京都の街を歩いているのは、観光客の人がほとんどではないかという気がしている。
京都は山に囲まれた盆地であるため、夏は蒸し暑く、冬は底冷えがすごい。ただ、この尋常ではない暑さを体験することも、京都らしさであると思う。一度体験すれば、「京都の夏は本当に暑い」と説得力を持って語っていける。それは旅人にとって、ひとつの「財産」になるのではないかと思ったりしている。
出会えばラッキー! 1300台に1台のレアタクシー
ところで、京都の街を走るヤサカタクシーは三つ葉のクローバーが目印だが、稀に四つ葉になっているタクシーもある。「偶然出会えるとラッキー」といわれている、この四つ葉タクシーに加え、今年から、函谷鉾保存会と彌榮自動車が連携した「函谷鉾タクシー」が登場するという。天井灯に函谷鉾の象徴、鉾頭がデザインされ、車体にも「函」の目印。約1300台に1台しかないレアなタクシーに出会えるかどうか? 街歩きをしながら探してみるのも面白い。
7月を迎えた京都は、街全体がなんだか少し浮き足立っているような気がする。日常のすぐそばにお囃子の気配や神事の緊張感が潜んでいるからだろうか。歩いているだけでなんだかこちらまでワクワクしてくるのだ。7月だからこその、ちょっと浮き足立った街の雰囲気を味わうだけでも楽しいと思う。生きた伝統が暮らしに溶け込む京都の夏をぜひ五感で味わってみてほしい。

