序盤、政治家の父に見限られ絶望していた茉莉があかりと出会い、世の中捨てたものじゃないことに気づき、都知事選に打って出ることになった。2人の関係は、理想的なシスターフッドであり、バディであり、世の中のニーズに合っている。
ただ、それだけだと政治ドラマにしては世界が狭まってしまいそうだ。しかし、一癖も二癖もある人たちが1人、2人と集まって協力していく展開で、チームもののニーズにも応えた。むしろ、中盤以降、ガラさんこと五十嵐や、ぶっとばし蛍、YouTuberなどが集まってきたところからエンジンがかかってきたようにも思う。
第9話では、都知事選告示日に向かい、あかりたちの後援会会長(岩松了)や選挙カーのドライバー(小柳友貴美)、届け出やポスター貼りを担当する介護士(伊能昌幸)などが力を発揮し状況を好転させていくエピソードは、ご都合主義的とはいえ、「こういうのがいい」というものだった。女性同士の連帯のみならず、性別も年齢も関係ない連帯。
第10回の、茉莉が、楓はずっとそばにいてくれたかけがえのない友達であったと気づくエピソードも1つのシスターフッドストーリーであった。さらに、流星とその秘書・藤堂昴(倉悠貴)との関係性も、控えめながらも、お互いを思い合っていることは女性同士に限ったことではないと感じさせる。
ドラマを支える「4人の名優」
実直な人たち、表の顔と裏の顔を使い分ける人たちを、それぞれ名優が演じている。
野呂佳代はあかりの実直さ、持って生まれた人気者感をナチュラルに演じている。
黒木華は、最初は実力派政治家である父の庇護下にいたが、外の荒波に揉まれて成長していく茉莉を丁寧に演じている。世間をわかっていなかったお嬢様だが、根は誠実で黒いものに染まらない、単純な明るい正義に陥らない聡明な女性の演技が見事だ。

