昔の社会の問題は、「この事件が起こったのは何年ですか?」という形式が主流でした。これは、年号を覚えていればそのまま答えられる。覚えれば覚えるほど、点が上がる。シンプルですよね。
ところが今の問題は、こうなんです。
「この資料を読み取って、なぜこの年にこういうことが起こったのか、考えて答えなさい」
似ているようで、まったく別物です。そして、こういう問題では、知識量が多い子のほうが、むしろ正解に迷ってしまうことがあります。
たとえば、4つの選択肢から正しいものを選ぶ問題があったとします。知識の浅い子は、「これしか知らないから、これかな」とすんなり選ぶ。
ところが、勉強して知識が増えてきた子は、こう考え始めるんです。
「あれ、この前の年にこういう出来事も起こっていたはずだから、その影響を考えると、この選択肢も正解になりうるのでは……?」
「いや、待てよ、こっちの選択肢も、こういう資料の読み方をすればありえるな……」
知識は増えるほど、「迷う」
知識が増えたぶんだけ、見える可能性が増えてしまって、選ぶのに迷う。結果として、知識が増える途中の時期は、むしろテストで点が取れなくなることがある。これは、子どもがサボっているわけでも、塾が悪いわけでもなくて、頭の中で本格的な組み替えが起きている、その途中だからなんです。
この組み替えが完了すると、「知識が多いからこそ、迷わずに筋のいい選択肢を選べる」状態にたどりつく。そこまで来て、ようやく点数がジャンプするのです。

