「それが、正直言って本当にあんまり深く考えてなかったんです(笑)。僕は昔から基本的に楽観的で、そのときも『まあ、行けばなんとかなるだろう』としか思っていませんでした。今もそういう部分は変わっていません」
親や友人と離れることに対しても「あまり寂しさを感じていなかった」と振り返る。息子の決断に、英語が苦手な父もビザの取得などに全力で奔走した。
最初は日本の少年漫画を読んでいた
いよいよイギリスに飛び立つ日。
保安検査を終え、見送る両親のほうを振り返りもせずにあっさり進もうとする秀樹さんを、同行するアテンダントが慌てて「ご両親にバイバイしましょうか」と促したという。息子のその潔さに、父は思わず「すげえ」と感心した、と以前の取材で伺ったがーー。
「それは覚えています。一応、その前にちゃんと『じゃあね』と挨拶しているので、まあいいかと思ったんじゃないでしょうか(笑)。当時は父や母も、あまり寂しくなるような雰囲気は出していなかったと思います。もしかしたら見せないようにしていたのかもしれないけど」
そこから秀樹さんのイギリスでの生活がスタートした。初日の記憶はほとんど覚えていないそうだ。配属された寄宿舎では、自分の他に同年代と思われる中国人1人、イギリス人2人の男の子たちとルームメイトとして顔を合わせた。
最初は英語がほとんどわからなかったため、校内の図書館に行き、日本人の生徒が置いていった日本の少年漫画を読んで過ごすことも多かった。「確か『青の祓魔師(エクソシスト)』だったかなあ」。

