ただ、現代のYouTubeはかつてのテレビ番組以上に視聴者との距離が近い。視聴者は動画を再生したり、高評価をつけたり、コメントをしたりすることで、彼女たちの活動を直接的に後押しできる。
また、過去のバラエティ発アイドルの例に漏れず、DRAW♡MEの楽曲制作には超一流のクリエイターが起用されている。彼女たちのデビュー曲「素直でごめんね」の作詞・作曲は、CANDY TUNEの「倍倍FIGHT!」などを手がけた玉屋2060%、振付は、FRUITS ZIPPER「わたしの一番かわいいところ」などのダンスを生み出した槙田紗子が担当している。MVの演出はクリエイティブディレクターのクドウナオヤが担当。100人のファンがスマホで撮影した映像をつなぐ「人力バレットタイム」という斬新な手法を取り入れている。
バラエティの企画だからといって、作品そのものには一切手を抜かず、むしろプロ中のプロを揃えてクオリティの高いものを作り上げる。これもバラエティ発アイドルの伝統的な手法である。
欠点を隠さない姿に視聴者は共感
従来のアイドルには、憧れの対象としてある程度の完成度や統一感が求められてきた。しかし、SNSやYouTubeを通じて芸能人の日常や弱さまで見えるようになった現在、視聴者が強く惹かれるのは、スキのないスターだけではない。欠点や不器用さを隠さず、それでも目の前の仕事に懸命に取り組む人物が支持される。
DRAW♡MEは、その時代感覚にも合致している。メンバーは決して、過去を消して理想的なアイドルを演じようとはしない。バラエティで見せている素に近いキャラクターを保ったまま、照れたり、戸惑ったり、時には笑いを起こしたりしながらステージに立つ。そこには「アイドルらしくない人がアイドルをやる」というバラエティ企画としての面白さと、「何歳からでも新しい夢を始められる」という前向きなメッセージがある。
楽曲完成時の配信動画では、涙を流すメンバーの姿があった。元AKB48の福留光帆は「アイドルやってたけど、そんな気持ちよく終われたわけじゃないから。ここで私の気持ちが成仏するんだと思うと、すごいありがたい」と声を震わせた。彼女たちにとって、このプロジェクトは単なるバラエティの一企画ではなく、うまくいかなかった過去の清算であり、新たな物語の始まりなのだ。
DRAW♡MEは誰よりも「アイドルらしくないアイドル」として独自の道を貫き、これからも輝き続けるだろう。

