しかし、その人間関係が翌日の教室にそのまま持ち込まれるのも事実です。「無関係です」とは言えず、「全部把握します」とも言えない。教員はグレーゾーンに立たされたまま、対応の労力を割き続けることになります。文部科学省の調査では、いじめの認知件数が令和6年度に約76万9千件、重大事態は1405件と過去最多を更新しており、SNS関連のトラブルもその一定割合を占めていることが指摘されています(文部科学省 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査)。
「19時にしてほしい」という面談時間の変更
もうひとつ、現場の教員が「時間を奪われる」と語るのが、保護者面談の時間変更です。
たとえば18時開始予定だった面談が、保護者の仕事の都合で「19時にしてほしい」とずれ込む。学校としては保護者の都合に配慮することは当然の対応であり、断る理由はありません。しかしその「ずらされた1時間」が、教員にとっては中途半端な待機時間となります。
完全に集中して教材研究に取り組むには短すぎる。かといって帰宅できる時間でもない。結果として、その1時間は事実上の「空白時間」になり、深い思考を伴う作業はその後の夜中に持ち越される。授業準備や教材研究といった、本来であれば落ち着いた時間に取り組むべき業務が、22時、23時の職員室や自宅で行われることになります。
これは個別の教員のタイムマネジメントの問題ではありません。集中を要する業務は、それを支える「まとまった時間」が確保されてはじめて成立する。突発的な対応で時間が細切れになる現場では、いくら総労働時間を管理しても、業務の質そのものは守れません。

