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「帰宅準備をしていると保護者から電話が…」教員をむしばむ"放課後業務"の実態 18時には帰れない構造的問題の真相

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女性教師
教員に残業を強いる、学校業務の「時間構造の歪み」とは(写真:Ushico/PIXTA)
  • 西岡 壱誠 一般財団法人ドラゴン桜財団代表理事・ドラゴン桜2編集担当
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ここまで見てきた事例には、共通する構造があります。子どもの安全、保護者の不安、SNSのトラブル、面談の調整――そのどれもが、学校として「断ること」が極めて難しい依頼です。そして、いずれも教員の退勤前後の時間帯に集中して発生します。

その結果、何が後回しになるか。教員にとって本来もっとも大切にしたい業務、つまり「授業準備」が、最後に残る作業として深夜に追いやられていきます。

教員という仕事の核は、言うまでもなく授業です。教材を選び、生徒の理解度を踏まえて構成を考え、問いを練る。この準備の質が、教室で受ける授業の質を直接決めます。しかし、その業務が一日のうちで最後に回されるとなれば、当然ながら質は確保しにくくなります。疲れ切った23時に練られた授業案と、退勤前の集中した時間に組み立てられた授業案は、同じ質を保てません。

ここに「働き方改革のパラドックス」があります。長時間労働を是正する制度は整えられ、教職調整額の引き上げも始まりつつあります。それでも「授業準備が深夜業務になる」という時間の歪みは、制度改革だけでは是正されません。なぜなら、時間を奪っているのは「業務の量」ではなく、「断れない突発業務が退勤時刻に集中する」という時間配分の問題だからです。

「断る権利」を制度として整える必要性

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放課後・退勤後の時間に発生する依頼を、現場の教員が個別に「これは引き受ける/これは断る」と判断するのは、極めて難しい作業です。安否確認を断れる教員はいませんし、SNSトラブルへの相談を「業務外です」と切り返せる担任もまずいません。

教員の働き方改革は、残業時間の総量を減らすだけでは完結しません。退勤時刻に発生する依頼の総量と種類を、社会としてどう整理するか。その仕分けに踏み込まなければ、教員にとっての「授業準備の時間」は、いつまでも深夜業務のまま残り続けます。

そしてそのしわ寄せは、最終的に教室で授業を受ける子どもたち自身が引き受けることになります。

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