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都庁ハーフパンツ論争の核心:「おじさんいじり」に飛びつく現代メディアの"キモい"倫理観と周回遅れの感覚

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(写真:standred/PIXTA)
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メディアやSNSにおいてこのような「安易な中年男性批判」が盛り上がる理由は、彼らが社会的な強者と見なされているからだ。女性や若者や子供は弱者であるから、大切にされなければいけない。

だが、中年男性はそれとは正反対の最も強い立場にいるのだから、どんなに激しくバッシングしても許される。潜在的にそのような考え方を持っている人が多いからこそ、中年男性批判はしばしば過激化して、倫理的に逸脱した地点まで暴走してしまうのである。

もちろん、現実の中年男性が社会の中で一定の権力を持ってきたことは事実である。男性中心社会への批判には正当な根拠がある。だが、それによって個々の男性の容姿や服装を安易な形で笑いものにすることが許されるわけではない。ましてや、マスメディアがそのような行為に加担するのは言語道断である。

一般人同士が好みを主張するのは自由

本来、社会の公器であるメディアは一般人以上にその線引きに敏感でなければならない。ネット上で一般人同士が「あの服装は苦手だ」「自分は見たくない」などと感想を言い合うのは自由である。人にはそれぞれ好みがあり、個々の意見があるからだ。

しかし、報道番組やニュースメディアがその声を切り取って紹介するとき、それは単なる個人の感想ではなくなる。メディアが「これは社会的に取り上げる価値のある意見である」と認定したことになる。そこには責任が生じる。

今回のような取り上げ方は、ネットでも盛り上がりやすい。怒りを示す人がいて、反論する人がいて、さらにそれに反論する人がいる。中年男性批判、ジェンダー論、職場マナー、ルッキズム、ハラスメントといった論点が一気に絡まり、コメント欄やSNSは活性化する。メディア側から見れば「おいしい」話題であるのは間違いない。

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【問題は、ハーフパンツが良いか悪いかではない】

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