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浜名湖でも鹿児島でもなく"下呂温泉"でうなぎ養殖、「脂がのって軽い口当たり、しかも安い」を生んだ驚きの背景

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温泉水で飼育したうなぎの稚魚を手にするTri-winの伊藤通康社長
温泉水で飼育したうなぎの稚魚を手にするTri-winの伊藤通康社長(筆者撮影)
  • 永谷 正樹 フードライター、フォトグラファー
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Tri-winの伊藤通康社長に導かれて、裏の勝手口からかつての「ゆったり館」に足を踏み入れると、温泉の内湯と洗い場だった場所に5つの直径3.5メートルの巨大水槽が並び、体長20センチほどのうなぎの稚魚が元気よく泳いでいた。

稚魚の数は5000尾。今年7月の初出荷に向けて、すくすくと生育している。

養殖場全景。中央の洗い場に浴室だった頃の面影が残る(写真:筆者撮影)

これまで筆者はうなぎの養殖池を何度も訪れたことがあるが、うなぎが生息する自然環境を考慮して、泥水で飼育しているところがほとんどだった。

しかし、ここでは地下深部から湧き出る、澄みきった温泉水を利用している。外部環境の影響を受けにくく、従来の養殖で課題となりがちな水質変動や外的汚染のリスクを低減できる可能性があるという。

燃料費が節約できて、うなぎを安く出荷できる可能性も

稚魚たちが泳ぐ水槽の中の水は温泉の源泉で、水温は年間を通してうなぎにとって適温である29度前後で安定している。魚にとってストレスとなる温度変化がほぼなく、冬場でもボイラーなどで温める必要がないので、燃料費も抑えられる。そのため、「出荷価格を平均よりも1割ほど安くできるかもしれない」(伊藤社長)という。

試験養殖のうなぎを蒲焼きに加工。大きく育つ個体もあり、手前のうなぎは生きている状態で重さが1キロ以上あったという(写真:Tri-win提供)

これまでにこの場所で試験的に養殖したうなぎは、大きく育っても皮が硬くならず、試食した多くの人が川魚特有の臭みの少なさと、脂がのっているのにすっきりとした軽い口当たりを評価した。

伊藤社長は、今後、水産試験場などと連携して温泉養殖の効果を検証していく予定だ。

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