和泉氏によると、年次有給休暇は労働者の権利であり、休職制度も就業規則で定められていれば利用できる。私傷病休職の場合、医師の診断書があれば会社が拒否することは現実的に難しく、安全配慮義務違反のリスクを避けるため承認される傾向が強い。
休職中は傷病手当金(給与の約2/3、最長1年6カ月)により生活を維持しながら、回復に専念し、復職や退職、転職の判断ができる。多くの企業では休職期間を半年〜2年とし、期間満了で「自然退職」となる規定を置く。
会社側が休職中に解雇や退職勧奨を仕掛けるのは労務トラブルになるリスクが高く、期間満了を待つ運用が一般的だ。
「法律が権利を認めても、羞恥心や組織と対峙することへの恐怖感により、その権利を行使するのが本人にとって高いハードルになる場合もある。労働者側にはこういったストレスがあることを前提に、第三者介入をより自然で使いやすい仕組みにしていくことが必要になっている」(和泉氏)
心の傷をわずかに癒やすことができる
代行サービスを利用するからといって「甘え」とは言い切れない。筆者の経験論で言えば、第三者に委ねると、自尊心や名誉を否定されていた自分が会社と「対等」となり、心の傷をわずかに癒やすことができる。
そこまで会社との闘いがなかったとしても、今は「自分を守るための精一杯の選択」として利用する人が増えているのも事実だ。
この変化を、社会としてどう受け止め、退職・休職代行サービスなど第三者介入の仕組みをどう改善していくべきか――それがこれからの課題だろう。
