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「女性寮で彼氏と同棲」違反を指摘したら、出社拒否…"退職代行"で辞めていった20代社員を《「甘え」と言い切れない事情》

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会社も誠実に対応してきたはずなのに……。なぜ社員は「退職代行」を使うのでしょうか(写真:bino/PIXTA)
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その後女性は入院したというが、休職開始約1カ月後に代行会社から「退職します」との連絡が総務に入った。本人と話ができない会社は身元保証人である親に連絡。母親が対応し、謝罪を受けた。そして、数日後に本人から退職届が届いた。

「寮をめぐる件が発端となり、仕事への情熱が失われたのかもしれない。会社は誠実に対応したと思う。女性社員側も『ありがとうございました』『ご迷惑をおかけしました』ときちんと“別れる”べきだった。人との関わりを大切にする経営風土や職業だけに残念」(小林氏)

この会社では、他に社員が代行サービスを使用して退職や休職をしたケースや、トラブルなどはないという。「ハラスメントのない企業」での代行サービス利用が増えているという一例だろう。

マイナビの2024年調査によると、直近1年間に転職した人のうち16.6%(約6人に1人)が退職代行サービスを利用しているといい、特に20代では18.6%と高い。

女性社員なりの「自分を守るための精一杯の選択」

このケースは第三者からすれば、女性社員に一方的に非があるようにも見えるだろう。

しかし、彼女にも抱える思いや事情があったのではないかと筆者は思う。

ルール違反をしてしまったのが悪いとはいえ、プライベートな情報が会社や他の社員たちに公になれば恥じらいを感じるだろうし、自らの甘さや会社への申し訳なさもあったのかもしれない。

会社の対応は正しく、誠実だったがゆえに、逃げ道がなくなったと見ることもできよう。

それを1つの理由に心身が不調となり、最後は退職・休職代行サービスに数万円を払ってでも消えようとしたのではないか。この女性社員に寄り過ぎる見方かもしれないが、直接対峙を避けたのは彼女なりの「自分を守るための精一杯の選択」だったようにも思える。

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【逃げ道がなくなったと見ることもできる】

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