日本全体が未曾有の人手不足にあえぐ中、1つの「異常な数字」がある。厚生労働省が発表する有効求人倍率だ。直近の2026年3月のパートを除いた全体平均が1.23倍だったのに対し、一般事務の有効求人倍率だけが0.32倍という極端な買い手市場に沈んでいる。求職者10人に対し、仕事が3件しかない計算になる。

これは単なる人気の偏りではない。ホワイトカラーの「定型業務」が、システムや生成AI(人工知能)へと不可逆的に置き換わり始めている“予兆”だ。
「アメリカのようなAIによる大規模レイオフと日本の状況を同列に語るのは、まったくの別物を比べるようなものだ。日本の特徴は、職業そのものがなくなるのではなく、定型業務などの特定の『タスク』が静かにAIに代替されていく点にある」。パーソル総合研究所の田村元樹研究員はそう指摘する。
そして今、この「タスク消滅」の最前線で、直接的な困難に直面しているのが人材派遣業界だ。
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