米アンソロピックが開発した最新人工知能(AI)モデル「Mythos(ミュトス)」について、日本の3メガバンクがアクセス権を確保できる見通しとなったことが13日、分かった。日米間の連携を深め、サイバー攻撃に備える狙いがある。
事情に詳しい関係者が明らかにした。4月上旬に公表されたミュトスはソフトウエアの脆弱(ぜいじゃく)性の検出能力が極めて高く、悪用されればインフラの混乱を引き起こす可能性が指摘されている。現在は米国で一部の企業・団体にのみ公開されているが、金融システムなどへのサイバー攻撃が起きれば影響は大きい。
日本の金融機関がアクセス権を得れば、システムの潜在的な弱点を洗い出すことが可能になり、サイバー攻撃に先んじて対応を打つことができるようになる。
アンソロピック、三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループの広報担当者はブルームバーグの取材に対し、それぞれコメントを控えた。
三井住友フィナンシャルグループの中島達社長は13日の記者会見で、「アクセス権については聞いておらず、わからない。ミュトスについて社内でワーキンググループを作り、対応を始めている」と述べた。
金融庁はミュトスを念頭に、サイバーセキュリティー対策の強化に向けて官民連携の作業部会の初会合を14日に開く。みずほ銀行や三井住友銀行、三菱UFJ銀行、セブン銀行や楽天銀行に加え、NTTデータや野村総合研究所といったシステム開発を手掛ける企業なども加わる。財務省や日本銀行も参加する。
片山さつき金融相は12日、閣議後の記者会見で「金融業界とIT企業、政府・日銀などが、AI技術の進展による脅威について共通の理解を持ち、対応を検討するため、実務者レベルでの議論を深めることを期待している」と話していた。
3メガバンクによるミュトスへのアクセス権確保については、日本経済新聞が先に報じていた。
--取材協力:鈴木英樹、佐野七緒、岡田雄至.
著者:梅川崇
