とはいっても大々的な予算をかける計画ではないようで、既存の愛知総合工科高校に併設するかたちにし、教育や実習に必要になる施設も愛知総合工科高校の既存施設を使用する予定だ。
理工系人材の不足と即戦力の人材供給の必要性は理解しているものの、支出は最小限に抑えたいようである。
福岡市も29年に市立高専の開校を目指しているが、こちらも既存の博多工業高校の敷地内に併存させる予定だ。
福岡市では知識創造型産業をはじめとする成長性のある分野の企業誘致を推進しており、高専をつくり、人材供給力をアピールすることで誘致にもプラスに作用させたい思惑もあるようだ。
滋賀県も28年4月に高専を開校予定と発表しているが、こちらは校舎などは新しく建設する計画である。
校舎のほかに体育館、図書・交流拠点施設のほか、金属の切削、溶接、鋳造等の加工実習やロボットの制作などを行う実習工場、大型の実験装置を配置する実験室棟も配置する。さらに50名規模の学生寮も設置し、遠方からも生徒を集める体制を整えようともしている。
少子化の中で生徒が集まるのか?
しかし、どの計画もホームページ等で公表されてはいるものの、内容が変更となる可能性も付記されている。ちょっと“弱腰”な印象を受けてしまう。
少子高齢化の中で、開校したものの思うように生徒が集まらない事態の可能性も否定できないといった理由もあるのかもしれない。
前述したように文科省も理工系学部を増やすために大学への支援に力を入れているし、大学側でも経営安定のために多くの学生を集めようとして理工系学部の充実に努めることになるかもしれない。
そうなると、進学先として高専か大学のいずれを選んだほうが得かという思考に若者がなるのは当然である。
三菱UFJ銀行のような企業が増えて高専卒業生が優遇されるような、さらに大学卒業者よりも優遇されるような環境にでもなれば、高専志望者は増えるはずである。そうなると、高専の新設の動きも活発になっていくにちがいない。
逆に、高専卒業よりも大学卒業が得となれば、高専人気は盛り上がらず、せっかく新設したにもかかわらずムダにもなりかねない。それを考えれば、新設を計画していても、どうしても“弱腰”になってしまうのだろう。
三菱UFJ銀行の動きや文科省の新設支援強化が、高専人気を一気に盛り上げることにつながっていくのかどうか注目される。



