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「トランプ王朝崩壊」のきっかけとなるのか? 5月19日のケンタッキー州予備選挙に大注目だ

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下院の司法委員会公聴会で司法省を追及する、ケンタッキー州選出のマッシー議員(写真:ブルームバーグ)
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トランプ大統領との関係においても、両者は際立った対比をなしてきた。マコーネル氏は共和党の屋台骨を支える側として、たびたびトランプ大統領と衝突してきた。しかし決定的に対立して、民主党を利するようなことはしない。造反はしないが降伏もせず、ギリギリのところで共和党の古い伝統を残そうとしている。

今年の中間選挙では、マコーネル氏は84歳という高齢を理由に引退が決まっている。5月19日の予備選挙ではその後継者が決する。たぶん元・腹心のアンディ・バー下院議員で決まりだろう。トランプ大統領も、当初はMAGA色の強い候補者を模索していたが、最終的にバー氏の支持を決めている。たぶん双方の妥協が成立したのであろう。

対照的にポール氏は、早い時期からトランプ大統領に接近してきた。「反エリート」「アメリカ・ファースト」「対外不介入主義」などで重なる部分が多かったからだ。しかし盲従することはせず、今回のイラン戦争などでは遠慮なく政権を非難している。あくまでも独自路線で、こちらは2028年に改選期を迎える予定。

マッシー下院議員を過剰に警戒するトランプ大統領

とまあ、こんな2人がお互いを認めつつやってきた、というところにケンタッキー政治の奥深さがある。そしてもう一人の共和党議員、5月19日にケンタッキー第4区で予備選挙を迎えるトーマス・マッシー下院議員が今後の焦点となる。

マッシー氏もまた信念を貫くタイプだ。「小さな政府」「反・銃規制」「反・DEI」「反・対外介入」などでMAGA派と重なるが、「反・大型歳出法案」や「エプスタイン文書の完全公開」などでは、遠慮なくトランプ大統領に逆らってきた。

これに対し、トランプ大統領は一介の下院議員を相手に大袈裟なくらいの反撃策を打ち出している。予備選挙では元海軍で農場経営者のエド・ガルレイン氏を支持し、イラン開戦中にもかかわらずケンタッキー州に乗り込んで、MAGA派を相手に応援演説を行っている。しかも自ら調達した政治資金を投入してもいる。目下の世論調査では、マッシー氏が47~52%、ガルレイン氏が38~48%というから、まさに紙一重の勝負となりそうだ。

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【マッシー下院議員の勝敗がトランプ王朝の行方を決めるかも】

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