本作に登場するママはみんな子どものことを愛しており、大きな愛で包み込んでくれる。子どもを守るためなら自分の身すら差し出すほど、子どもを大切にしていたのだ。そんなシーンを観たからこそ、ママというのはいつも笑顔で優しくて、時々怒ることもあるけどおやつをくれたりご飯をくれたりする人だと思っていた。
ドラえもんやのび太たちのように「私もママに抱き締めてもらえるかもしれない!」なんて夢を見ては、まだ存在を理解できていなかった母への想いを募らせていた……のだが、筆者の母親はご飯も用意せず、長時間にわたり未就学児の子どもを放置するタイプだった。
母は家にいても基本的には自室でタバコを吸っていた。兄と筆者が遊んでいると、「うるさい!」と怒鳴ってくる。時々狂ったように「出て行け!」と怒鳴り散らされるので、そういう日は兄と2人でトボトボ外に出て母の気が済むまで時間を潰す。息を殺してテレビを観ていても怒られ、ゲームをしていても怒られ、家にいなかったらいなかったで怒られる。そんな存在が自分の「母親」なのだと理解した瞬間の絶望は、未だに忘れられない。
鯉のぼりの季節はカープ観戦に行くのが広島県民の定め?
そんな筆者は、どんなゴールデンウィークを過ごしていたか。事前に母親が旅行計画を立ててくれ、親子水入らずで仲良く過ごす……なんてことは一切なく、ゴールデンウィーク期間中も、母親は男に会いに行ったり、パチンコに精を出したりしていたと記憶している。
その結果、筆者はいつも決まって祖父と野球観戦に行っていた。広島の野球チーム・広島東洋カープは、鯉をモチーフにした球団だ。非常に弱小ながら、鯉のぼりの季節である5月5日までは戦績が良いというジンクスがあり、まだ戦績が良いシーズンである5月5日に市民球場でホーム戦を観戦するのが常だった。
その帰りに、毎年5月3日・4日・5日の3日間にかけて開催される「フラワーフェスティバル」でドラえもんのベビーカステラと焼きとうもろこしを買ってもらった思い出がある。筆者ばかりおいしい思いをしてはいけないと、兄と祖母のお土産分も抱え、船に乗って帰っていた。
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【かわいい孫娘は必勝の縁起物】
