一方、細木数子さんの番組を振り返ると、彼女の一挙手一投足に注目し、相談者はどんなことを言われても受け入れ、出演者たちはそれを盛り立てていました。今、客観的に見ると、占い師を崇めるような構成・演出だったことに気づくのではないでしょうか。
では、なぜこれほど変わったのか。その理由はおそらくみなさんが考えている通りだと思われます。
「放送基準」にも規定がある
各局のコンプライアンスに対する意識が変わり、メディアもスポンサー企業もリスクを回避するようになりました。
特に科学的な根拠のないものに対しては厳しい視線が注がれ、「ファクトは?」と求められ、「フェイクでは?」と疑われるほか、法的リスクを指摘する声も上がりやすくなっています。
あるバラエティのスタッフが「裏取りができないようなものは放送できない」と言っていましたし、占い番組であれば「バチバチ当たりすぎるほど反発があって放送しづらくなる」のでしょう。
ちなみに、令和の占い番組が複数の占い師を入れ替わりで起用しているのは、細木数子さんのように個人をカリスマとみなさないようにするためです。
そもそも日本民間放送連盟が規定する放送基準第8章(表現上の配慮)には、「占い、運勢判断およびこれに類するものは、断定したり、無理に信じさせたりするような取り扱いはしない」という記載があります。
さらに「人相、手相、骨相、印相、家相、墓相、風水、運命・運勢鑑定、霊感、霊能等を取り上げる場合は、これを断定的に取り扱わない」などの具体的な解説文もあり、もはや平成時代のような構成・演出は不可能なのでしょう。
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【「突然ですが占ってもいいですか?」は異色の存在】
