しょうもないギャグを言い続けるような人でもあった
──大滝さんの人生が、本人の言葉で語られます。
大滝さんは偉大な音楽家として高く評価されているけれど、一方で、ふざけてしょうもないギャグを言い続けるような人でもあった。両面があって、大滝詠一というユニークな個性が成立していた。それを描こうと試みたのが本書だ。
会話のテンポ感や間合い、語尾も、その人の考え方であり、主張なんだと僕は思う。だから、大滝さんが話した内容を「どう話したか」まで含めて表現した。
大滝さんとの会話はいつも笑いにあふれていた。インタビュー記事でもすべての文末に「(笑)」とつけたくなるぐらいだったが、さすがにくどくなるし、見た目にもうるさいから、今回は封印した。
──萩原さんが大滝さんの自宅に3日間泊まり込んで話を聞いたとのこと。規格外の取材ですね。
映画監督のフランソワ・トリュフォーが、巨匠アルフレッド・ヒッチコックに1週間の取材をして書いた『映画術』という本がある。それに倣って、『大滝詠一ポップス術』という本を書きたいと思い、大滝さんの了解を得て取材を敢行した。120分テープで二十数本になったが、本書で使ったのはほんの一部だ。
はっぴいえんど結成以降については大滝さんが語ったインタビューなどもそれなりに多いので、本書ではバンド結成以前、青年期のエピソードが厚めになっている。
ひとり親として自分を育ててくれた母親とのエピソードや、後に妻となる少女とのなれ初めと、突っ込んだ話もしてくれた。それもあって「公開は自分の死後に」と言い残したのかもしれない。
──本書からは、大滝さんのイノベーター的な面が見えてきます。
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