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大滝詠一の"AB両面"を描く 3日間泊まり込み取材の記録…『幸せな結末 大滝詠一ができるまで』萩原健太氏に聞く

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『幸せな結末 大滝詠一ができるまで』の著者
『幸せな結末 大滝詠一ができるまで』の著者、音楽評論家の萩原健太氏 (撮影:梅谷秀司)

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日本語によるロックの先駆け的バンド、はっぴいえんどのメンバーであり、個人レーベル「ナイアガラ」を主宰したプロデューサー。1981年には、ソロアルバム『ロング・バケイション』が大ヒット──。日本のポップ音楽シーンに独自の立ち位置を築いた大滝詠一(48年生まれ、2013年没)が、91年、音楽評論家の萩原健太氏を聞き手に3日間の超ロングインタビューを受けていた。取材は、「死後公開」の条件で行われたという。

しょうもないギャグを言い続けるような人でもあった

──大滝さんの人生が、本人の言葉で語られます。

『幸せな結末 大滝詠一ができるまで』(萩原健太 著/文芸春秋/1925円/288ページ)書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。

大滝さんは偉大な音楽家として高く評価されているけれど、一方で、ふざけてしょうもないギャグを言い続けるような人でもあった。両面があって、大滝詠一というユニークな個性が成立していた。それを描こうと試みたのが本書だ。

会話のテンポ感や間合い、語尾も、その人の考え方であり、主張なんだと僕は思う。だから、大滝さんが話した内容を「どう話したか」まで含めて表現した。

大滝さんとの会話はいつも笑いにあふれていた。インタビュー記事でもすべての文末に「(笑)」とつけたくなるぐらいだったが、さすがにくどくなるし、見た目にもうるさいから、今回は封印した。

──萩原さんが大滝さんの自宅に3日間泊まり込んで話を聞いたとのこと。規格外の取材ですね。

映画監督のフランソワ・トリュフォーが、巨匠アルフレッド・ヒッチコックに1週間の取材をして書いた『映画術』という本がある。それに倣って、『大滝詠一ポップス術』という本を書きたいと思い、大滝さんの了解を得て取材を敢行した。120分テープで二十数本になったが、本書で使ったのはほんの一部だ。

はっぴいえんど結成以降については大滝さんが語ったインタビューなどもそれなりに多いので、本書ではバンド結成以前、青年期のエピソードが厚めになっている。

ひとり親として自分を育ててくれた母親とのエピソードや、後に妻となる少女とのなれ初めと、突っ込んだ話もしてくれた。それもあって「公開は自分の死後に」と言い残したのかもしれない。

──本書からは、大滝さんのイノベーター的な面が見えてきます。

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