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バナナマン日村(53)の勇気ある休養 タレントを「消耗品」扱いした悪習を終わらせる視聴者側の変化

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日村勇紀 バナナマン
(画像:「YOUは何しに日本へ?」公式サイト)
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多少の無理は当然だ、売れているならいくらでも働くべきだ、休むのはプロ失格だ、というような感覚があった。期待に応えるのがスターの務めであると考えられていたのだ。

だが、現在は一般社会でもメンタルヘルス、働き方改革、ハラスメント、過労といった問題が広く共有されるようになった。会社員が無理をして働き続けることが美談ではなくなったように、芸能人が無理をして出続けることも単純に称賛される時代ではなくなった。むしろ視聴者の側から「具合が悪いときは無理せず休んでほしい」という声が自然に出るようになった。

もちろん、芸能界が急に優しい場所になったわけではない。人気商売である以上、休めば仕事に穴が空くことになる。番組側は代役を立てなければいけないし、スポンサーや編成への説明も必要になる。本人にとっても、休養は不安を伴う。

長期的に見れば休んだほうが好都合

だが、それでも休養を選ぶケースが増えているのは、長期的に見ればその方がタレント本人や事務所やテレビ局にとっても好都合だからである。人気者を短期間で使い潰すよりも、コンディションを整えながら長く活動してもらうほうが、結果的には価値が高い。芸能界もようやくタレントを「消耗品」として扱うことから脱却しつつあるのだ。

今回の日村の休養は、芸能界がようやくタレントを1人の人間として扱うのが当たり前になってきた、ということの表れである。売れっ子であっても休む。人気者であっても無理をしない。番組に穴が空いても、健康を優先する。それは以前ならプロ意識が足りないと考えられたかもしれないが、現在ではむしろプロとして活動を長く続けるための冷静な判断となる。

日村の休養は、これからの芸能界にとって1つの理想的なモデルになるかもしれない。人気者が休める社会は、人気者を失わずに済む社会でもある。日村の休養という事実そのものは少々寂しいことではあるが、芸能界が少しだけまともな方向へ進んでいることを示す明るいニュースでもあるのだ。

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